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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

この光と空気のなかに

 エドワード・ホッパーの絵を見るたびに感じることについて、僕は書いてみることにする。見るたびに感じるとは、見るたびに感じることの質や方向に沿って、そのたびに、けっして小さくない影響を、ホッパーの絵から僕は受けている、ということにほかならない。
 人間が日常を営む空間が、地表から空に向けて、ある程度の高さのところまで、立ち上がっている。そしてその空間は、いまでは地球のぜんたいを覆っている。その空間のなかに、人々そして彼らの作ったすべてのものが、存在している。そこに太陽の光が届く。その光を受けとめて反射させることによって、人…

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