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評論・エッセイ

一九六二年、古き佳きアメリカが『サタデー・イヴニング・ポスト』誌の表紙に描かれていた頃

 子供の頃、気がついたらすでに、身辺にいつも『サタデー・イヴニング・ポスト』があった。誰かが定期購読していたのだ。毎週、それはアメリカから届いていたらしい。丸めて茶色の紙でくるみ、筒のようになっていたのを、僕は淡く記憶している。記憶ちがいでそれは他の雑誌かもしれない。表紙の隅に宛先のカードを貼りつけただけで郵送されて来るのは、確かな記憶として残っている。大きなサイズの一冊の雑誌が、包装されることなくアメリカから日本まで郵送されて来るのだから、ときとしてその表紙はぼろぼろだった。
 ごく幼い子供の頃から終刊まで、『サタデー…

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