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評論・エッセイ

『幸せは白いTシャツ』

 一九九四年の夏に出た『狙撃者がいる』が、いまのところ僕にとってもっとも新しい角川文庫だ。そこから『湾岸道路』までさかのぼるあいだに、五十七冊の文庫がならんでいる。そして『湾岸道路』からいちばん最初の角川文庫である、『ぼくはプレスリーが大好き』に至るまでには、三十冊の文庫がある。こうした数の文庫のなかに、オートバイとそれに乗る人の出て来る短編が、おそらくいくつもあるに違いない。そしてそれらの短編を、ここではすべてバイパスしたい、と僕は思う。『湾岸道路』から二冊さかのぼると、そこには『幸せは白いTシャツ』という作品がある。文庫のために書…

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