冬の始まりを感じさせる気温の低い日だった。平日の午後五時前の街は、すでにさまざまに明かりの灯る夜だった。しかし夕食にはまだ早く、僕たち四人は路地のなかの喫茶店に入り、その片隅にそれなりの居心地の良さを見つけ、コーヒーのひとときとなった。僕、そして僕より十歳年下の男性、さらに十歳下の、おなじく男性、そしてもう一度さらに十歳だけ年下の、僕たちは妙齢と言っている女性。僕たち四人とは、このような四人だった。
　らち埒もない話がゆるくつながっていくうちに、話題はなぜか俳句になった。冬の夕方のコーヒー、そして場所は喫茶店の片隅、とい…