No.3|八巻美恵「驚き続けるわたし」
【考えごとは、小説?】
赤い背の角川文庫が毎月のように出版されていたころ、それをいつも書店でみていた。新刊が出ると必ず買って読む作家がわたしにとっても何人かいたが、どんなに待っていても年に1冊くらいしか出版されない。それなのに片岡義男の新刊は毎月のように出るのだ。なんだかおかしい。この作家はどうやってこんなにたくさん書けるのか。片岡義男という名前を語るプロジェクト? などと思いつつ、なんとなく買っては読み続けていた。なんとなく読んでみたいと思ったのだ。
『少女時代』の単行本が出て、その後に書き下…
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