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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

昔のカレッジ・ボーイたちは、昔ふうの顔をして昔ふうのことを楽しんでいた、というお話。

 一九五〇年代アメリカの大学生たちのあいだに大流行した、パンティ・レイドを知っているだろうか。知らなくてもいっこうにかまわないのだが。
 パンティ・レイド。つまり、パンティかっぱらい大会。パンティ泥棒みたいに、ひとりでこっそりと陰湿にやるのではなく、男の学生たちが大挙してソロリティやドーミトリーに押しかけ、女子学生の下着をかっぱらってくるという、まあ一種の遊びだ。
 一九五〇年代に大流行したこのパンティ・レイドは、一九六〇年代のはじめまでつづいたが、激動の六〇年代がスタートすると同時にばったりとなくなり、現…

底本:『5Bの鉛筆で書いた』角川文庫 1985年

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