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評論・エッセイ

植草さんの日記に注釈をつける

『植草甚一スクラップブック』というタイトルで、かつて植草さんの全集が刊行された。一九七〇年代のなかば過ぎから、ある期間にわたって毎月一冊ずつ、刊行されていたような記憶がある。毎月、本のなかに月報がついていた。本とは独立した、数ページの小さなパンフレットのようなものだ。業界の言葉では、投げ込みと言っている。普通の投げ込みよりは、手のかかったものだった。
 植草さんの日記がひとつの柱になっていて、何人かの人たちがエッセイを寄せていた。植草さんの日記は一九七六年の一月一日から書き始めたものが、収録されていった。この月報に使う目…

底本:『坊やはこうして作家になる』水魚書房 2000年

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