僕はチャーリー・ブラウンなのだから
僕が『ピーナッツ』を読み始めたのは、一九五六年ないしは一九五七年のことだった。どちらの年だったにせよ、信じられないことに、その僕は世田谷区で高校生だった。父親の仕事の関係で、自宅にはアメリカの新聞がいつも何種類もあった。最後に読むのは僕ときめてあり、僕が読んでしまえば、すべて捨てていいことになっていた。『ピーナッツ』を読み始めた僕は、読み始めた第一回から、連載のコミック・ストリップを切り抜くことも始めた。新聞から切り抜く、ということを僕に最初に試みさせたのは、チャーリー・ブラウンだ。
『ピーナッツ』のアメリカにおける連…
底本:『芸術新潮』2013年10月
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