片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

エッセイ

ガールの時代の終わりかけ

 僕が新卒の新入社員として、会社というものをかすかに体験した時代は、いつだったのですかという質問に対しては、とりあえず年号を答えればいい。しかし年号は単なる数字だから、その頃を知らない人にとっては、年号などなんの意味も持たない。それはどんな時代だったのですかという質問に、僕はどのように答えればいいのか。
 高度成長を背景に、オリンピックを基準点にしてすべてを語る、という方法がある。しかしこれも、語る人が語りたい内容は、じつはほとんど伝わらないのではないか。その時代をおぼろげにでも知っているなら、オリンピックという基準点は…

底本:『坊やはこうして作家になる』水魚書房 2000年

このエントリーをはてなブックマークに追加