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書評

一九五一年のアメリカの小説

 ある雨の日の夕方、ぼくは都心のホテルにいた。ホテルを出るとき、一階のロビーの奥にあるブック・ショップに寄ってみた。これから駅へいって特急列車に乗り、小さな旅をしなければならないところだったので、ペーパーバックを二冊か三冊、買おうと思った。
 ペーパーバックの棚(たな)をさあっと見ていって、三冊、買った。あまりこまかく選ばない。なにかすこしでも心にひっかかるものがあるペーパーバックは、みんな買う。どのペーパーバックも一冊がみな二十五セントだったころについてしまったくせだ。それに、ペーパーバックは、本という気がしないからい…

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