エッセイ「やがて、模型(プラモデル)たちが語りはじめる」より1作品を公開
模型専門誌「月刊モデルアート」(モデルアート社)の臨時増刊号として発行されていた『M-CATS』(エム・キャッツ)連載のエッセイ「やがて、模型(プラモデル)たちが語りはじめる」の第6回(最終回)を公開しました。単行本未掲載の作品です。
雑誌はもっとも簡便なタイム・マシーンだ。記事もさることながら、雑誌に数多く掲載されている広告は時代そのものだ。ここに紹介するのは、コンヴェアというアメリカの航空会社が1950年代に航空雑誌に掲載した広告だ。3人の子供がそれぞれにF-102全天候迎撃機、CV440メトロポリタン中距離旅客機、シーダートという世界初のジェット水上戦闘機の模型を持っている。着ているもの、その着こなしかた、ヘア・スタイル、人の感じなど、過ぎ去ったまま二度と戻ってくることのない時代というものの、典型的な例だろう。F-102やCV440なども、もちろん完璧な過去だ。絵に添えられたコピーの言っていることも、遠い昔の夢物語のようだ。自分たちの未来に関して、懐疑の念を持たなければならない理由など、この時代のアメリカにはなかったのだ。
(『エム・キャッツ』第8号[2002年11月]掲載)
2025年11月21日 00:00 | 電子化計画
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