写真家・佐藤秀明さんの新しい写真集『雨の日に』を題材に、10人のブックデザイナーがそれぞれのイメージで装丁を施した10種類のカバーを競作し、展示・販売するという展示会が東京・渋谷のギャラリー、装丁夜話で開催中です。

会場には装丁された写真集が一堂に

金属で作られた版で箔押しされた、ちょっと変わり種のカヴァーも

入り口の棚には『LONESOME COWBOY』など佐藤さんのこれまでの写真集の展示も

　JR原宿駅からほど近いギャラリー「装丁夜話」で10月27日から始まった「雨の装丁展」。日本各地の雨の風景を撮影した佐藤秀明さんの新刊写真集『雨の日に』のために、10人の装丁家が工夫を凝らしたカヴァーを制作しました。お伺いしたのは初日の夕方でしたが、佐藤さんのファンや装丁に興味のある方などが多くの方が訪れ、それぞれの作品を「鑑賞」されていました。

　商業出版物の枠にとらわれない、自由な発想で作られたカヴァーは、単に表紙のデザインだけでなく、折り返しの部分やカヴァーの材質の違いなども見て・触って楽しむことができます。今回の写真集の装丁について佐藤さんご自身はノータッチとのことですが、あえて写真を使っていないものや、同じ作家さんの作品でもすべてが手作業のためひとつとして同じものがないもの、保管のための外箱があるもの、金属板で箔押しされたカヴァーなど多種多彩。趣向が凝らされたカヴァーは見るだけでも楽しめます。佐藤さんは「片岡義男さん、こういうイベント大好きだから、何かいい作品があればやってみたら喜ぶだろうね！」とも。

カヴァーのない状態の写真集を手にする佐藤秀明さん。スタッフとともにパチリ！

　かしこまらずに装丁で面白いことをしよう！　という感じが強いこのギャラリーでのイベント。ふらっと見に行っても楽しめると思います。お近くの方はぜひどうぞ。なお、写真集をお買い上げの方には特製の「栞（しおり）」がプレゼントされるそうです。

写真集お買い上げの方にプレゼントされる特製の「栞」

●佐藤秀明写真集『雨の日に』出版記念「雨の装丁展」

会期：2023年10月27日（金）〜11月5日（木）
時間：12:00〜19:00（期間中は土日以外も営業）
会場：GALLERY装丁夜話　（東京都渋谷区神宮前1-2-9　原宿木多マンション103）
　https://www.souteiyawa.com/gallery/

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