【連載企画】世界地図の歩き方
◆著者紹介

佐藤秀明(さとうひであき)
写真家。日本写真家協会会員。
1943年、新潟県三条燕市生まれ。日本大学芸術学部卒業。1967年ニューヨークへの旅を振り出しに世界を旅し、雑誌グラフ紙を中心に作品を発表。主な写真集:『ガクの冒険』『地球極限の町』『海まで100マイル』『世界貿易センター』『グラウンド・ゼロ』『ユーコン』『ノースショア 1970~1980』『雨のくに』『多摩川』『川物語』『伝説のハワイ』『秘境マルケサス諸島』
『LONESOME COWBOY』。他多数。
◆推薦文

片岡義男
体を張る――読む人は幸せだ
写真家の佐藤秀明さんとのつきあいは四十五年になる。僕にとっては写真のお師匠さんであることを越えて、人生全般にかかわるガイディング・ライトだ。暗い夜道を照らしてくれる導きの光だ。その光は、写真を撮るために、世界じゅうを旅している。旅をするとは、体を張ることだ。友人たちをまじえた夕食の席でのふとした隙間のような時間に、世界のとんでもないところで体験したことを佐藤節としか言いようのない語り口で、ひとくさり語って聞かせてくれる。これがどれもみな、素晴らしく面白い。僕はすべての話を覚えているが、僕ひとりだけのものにしてそのまま、というのはひどく残念だ。佐藤さんは文章も書く。どの話をも、いま一度、文章にしたらどうか、その文章に写真を添えて、ボイジャーのサイトで連載してはどうか。このアイディアに佐藤さんは賛成した。だからいま、この連載がある。読む人は幸せだ。
◆ 最新刊(2021/3/19公開)
第21回『酒に溺れたアムシ』
〝酒癖の悪いヤツ〟これは世界のどこにでもいる。一度や二度は被害にあっていることだろう。極北においてはこの程度が半端じゃなくレベルアップする。アルコール依存も深刻で、持ち込みや売買が厳しく制限する住民投票も行われたとか。だからのんびり川を下っていくと「これより先アルコールの持ち込み禁止」の境界線にもでくわす。そのギリギリの境界に「ラストチャンス」と銘打った酒場も営業している。酒場での乱闘騒ぎは当たり前のよう。命がけ。トマホーク(北米インディアンの使う斧)が飛んでくることもある。なんと「ズー(Zoo)」という酒場だった。
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◆ 過去の連載
- 第20回『賑やかな北極点 2』
- 第19回『賑やかな北極点 1』
- 第18回『夢のポンペイ島』
- 第17回『アラスカに住む理由』
- 第16回『アラスカ・ハイウェイのバックパッカー』
- 第15回『笑う豚』
- 第14回『白熊の山』
- 第13回『恋する北極のキャシーさん』
- 第12回『キリマンジャロ』
- 第11回『イカ・マドロス』
- 第10回『高山病のエベレスト街道』
- 第9回『世界最長寿の樹、メッセラ』
- 第8回『マルケサスとハーマン・メルビル』
- 第7回『マルケサスに没したゴーギャン』
- 第6回『アザラシの食べ方』
- 第5回『サバンナでマサイの戦士に出会ったら』
- 第4回『中国奥地紀行』
- 第3回『糞をめぐる戦い』
- 第2回『アビジャン列車の旅』
- 第1回『賄賂の渡し方』
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