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小説『香りはなにを語りたいのか』を公開

小説『香りはなにを語りたいのか』(『月刊カドカワ』角川書店/1989年6月号~1991年1月号掲載)を本日公開しました。単行本・文庫本未収録の作品です。

 20篇の小さな物語、あるいは物語の断片からなるひとつの作品。ひとつひとつの物語の中で、さらに複数の小さな物語が語られるものもある。それは時には詩の形をとり、またある時にはショートストーリーの形となって現れる。その全体を貫くテーマは「香り」あるいは「匂い」だ。しかし、香りを表すボキャブラリーはさほど多くはない。そのことを踏まえた上で、登場人物たちが感じる香りがその時々の状況や背景を交えて表現されていく。彼、彼女、僕、私としか書かれない登場人物は、同じ人なのか、全く別の人なのか。どの物語が誰の物語なのかすらもわからない。しかし彼ら彼女らは、それぞれの生活の中で、あるいは夢の中でも香りを受け止めていく。月でさえ、もっと大きければ、きっと香りを感じられるはずなのだ。

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2023年7月21日 00:00 | 電子化計画

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