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連作短編「グッドラックとしか言いようがない」から『ナイフを買う彼女』を公開

連作短編小説『グッドラックとしか言いようがない』(『マガジン・ノン』祥伝社/1985〜86年)から『ナイフを買う彼女』を本日公開しました。

 中野祐司と同じ大学に通う絵里子は、年齢も学年も祐司よりも1年年上だが、恋人同士といって良い関係だ。祐司との仲は親密に保ちつつも、ふたりの関係の中に自由なスペースを絵里子の方が多くとっている。そしてそのスペースの中で、裕司の予期できない面白いことが、絵里子の主導によっておこっていく。遠藤淳子を祐司に紹介したのも絵里子だった(『海の絵を描く彼女』参照)。それから3週間後、祐司は絵里子から誕生日プレゼントとして小型の折りたたみ式ナイフをもらう。
「何を切るのにふさわしいだろう」
「なにか、やさしいものを切れば」
「例えば?」
絵里子は女性からの手紙の封を切れば良い、と祐司に提案する。祐司は淳子から手紙をもらっていた。絵里子もそのことは織り込み済みだったようだ。

(『マガジン・ノン』1985年8月号掲載)

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2022年12月16日 00:00 | 電子化計画

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