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連作短編「グッドラックとしか言いようがない」から『白ワインを飲む彼女』を公開

連作短編小説「グッドラックとしか言いようがない」(『マガジン・ノン』祥伝社/1985〜86年)から『白ワインを飲む彼女』を本日公開しました。

 京都の大学に通う中野裕司は、フランス留学をする大学の同級生・川田有美子の見送りに成田空港へ来ていた。その帰り、以前京都で一度だけ会った有美子の姉・江美子を東京まで送ることになる。江美子は東京での仕事のため、新しい部屋の準備の真っ最中だった。その部屋で、江美子と裕司はさきほどまで性的な興奮で夢中になったままの時間をすごしていた。紅茶のカップを両手で持ち、江美子はまっすぐに裕司を見た。「ねえ」と、彼女が言った。裕司は江美子を見た。「まさか、有美子に喋ったりしないでしょうね」。彼女が、言った。裕司が帰った後、江美子はキチンに白ワインがあることを思い出す。

(『マガジン・ノン』1985年4月号掲載)

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2022年11月25日 00:00 | 電子化計画

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