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小説

グッドラックとしか言いようがない 白ワインを飲む彼女

紅茶のカップを両手で持ち、江美子はまっすぐに裕司を見た。「ねえ」と、彼女が言った。裕司は江美子を見た。「まさか、有美子に喋ったりしないでしょうね」。彼女が、言った。江美子は、中野裕司の大学での同級生である川田有美子の姉だ。江美子と裕司は、さきほどまで、性的な興奮で夢中になったままの時間を、すごした。

底本:『マガジン・ノン』一九八五年四月号

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