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「短編小説の航路」『スルメと空豆ご飯』『「今日は三月十二日です」』公開!

「短編小説の航路」シリーズ新作公開

書き下ろし作品「短編小説の航路」シリーズの新着2作品を公開しました。片岡義男.comだけで読める作品です。

写真家の木村邦彦は五十歳になったばかりだ。喫茶店で月刊誌の編集者からインタヴューを受けている。「五十歳を過ぎた男たちが語る、人生のあのとき。いま、そしてこれから」という連載のためだ。木村の話は前半と後半とのふたつあり、彼の話すことがそのまま小説となっている。
前半のテーマは「スルメ」で木村が三十歳のときにフォークランドで経験したこと。後半は「空豆ご飯」がテーマで、四十歳になった木村は広東省の胡同で驚くべき出会いを経験する。フォークランドと広東をつなげたのは、中国人のマドロス、写真とそこに写っている木村の帽子だった。
もしもほんとうにこんな経験ができるなら、五十歳になるのも悪くない。

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ともに四十三歳の宮田陽一郎と松本昭彦が郊外のバーで落ち合い、スコッチを飲みながら会話をしている。ふたりは出身地がおなじで、おなじ高校からおなじ大学のおなじ学部へいき、おなじ会社に勤めた。宮田陽一郎は三十三歳でその会社をやめ、作家となった。二杯目のスコッチを飲みながら、ふたりが交わす会話のあいだに、松本昭彦が語る女性とのエピソードが小説のワンシーンのような書きかたで挿入されて、ストーリーの抽象度を高めている。三杯目のスコッチとともに宮田が語るのは、ひとりの女性作家のごく平凡な一日のこと。こうして語って、メモを作れば、短編小説はなかば出来ている。

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2022年1月31日 00:00 | 電子化計画

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