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書評

アイラ・ウッドの『キチン・マン』はなぜ面白いか

 アイラ・ウッド『キチン・マン』
■面白かったほうの本の話をうかがいましょうか*。
 たとえば、アイラ・ウッドの『キチン・マン』ですね。はじめて聞く名前ですし、この小説は彼にとって最初の作品だそうです。劇作はたくさんおこなっていて、奥さんとの共同の作品もあったりするそうです。
『キチン・マン』を、ぼくはじつに面白く読みました。ウイットの的確にきいた、思いきってシャープな、それでいて優しく、感情の表現の正直な、まさにいまにふさわしい作品です。まずなによりも、ぜんたいの感じが、いまおよびこれからの…

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 1995年
『『片岡義男〔本読み術〕・私生活の充実』シリーズ《日常術》』晶文社 1987年所収

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