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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

森永ミルク・キャラメルの箱

 掌サイズ、という言葉がある。片方の掌に収まる、あるいは片方の掌だけで楽に持てる、というサイズを総称して、掌サイズと呼んでいる。日本におけるこの掌サイズの、じつになんとも言いようがないほどに素晴らしい、しかも普遍に到達していると言っていい、古典的な完成品は、森永ミルク・キャラメルの箱だと、ずっと以前から僕は確信している。
 このような確信の、何度目とも知れない確認を、いま僕はひとりでおこなっているところだ。森永ミルク・キャラメルをいくつか、僕は買って来た。それが目の前にある。復刻版と現代版のふたとおりがあるけれど、サイズ…

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