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評論・エッセイ

ドナルド・ダックのほうがずっといい

 ドナルド・ダックの鉛筆削り、というものをぼくは子供のころ持っていた。ドナルドの胸から上がかたどってあり、テーブルや台の上に固定して使うものだった。鉛筆をさしこむ穴はドナルドの上下のくちばしのあいだにあり、彼の頭のうしろについているハンドルをまわすと、鉛筆が削れた。ハンドルをまわすと、ドナルドの両目も、ぐるぐるとまわった。
 この鉛筆削りはぼくの机の片隅に固定してあり、ナイフで削るかあるいはこのドナルド・ダック・ペンシル・シャープナーで、子供のころのぼくは鉛筆を削っていた。ドナルド・ダックの鉛筆削りで鉛筆を削るたびに、ぼ…

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