リトル・ゴールデン・ブックスを開くと子供の頃のぼくがいる
リトル・ゴールデン・ブックスを開くと子供の頃のぼくがいる
まだごく幼い頃のぼくにとって、大きな謎であったことのひとつは、リトル・ゴールデン・ブックスはいったい全部で何冊あるのだろうか、ということだった。いまでも、本の三方を黄色く塗ったこの小さな本たちを書店で見るたびに、全部で何冊あるのだろうかと、ふと思う。
リトル・ゴールデン・ブックスは、幼児むけの絵本のシリーズだ。平均して二十四ページくらいの薄い本で、いい感じのボール紙の表紙にはさまれて、かなり不思議な質感にでき…
底本:片岡義男エッセイ・コレクション『自分を語るアメリカ』太田出版 一九九五年
『ターザンが教えてくれた』角川文庫 一九八二年所収( 「ベッド・タイムの物語」として)
「ブックストアで待ちあわせ」新潮社 一九八三年所収
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