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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

春まだ浅く、三冊の本を買った夕方

 今年の春がまだ浅かった頃、平日の夕方、僕はその大きな書店に三階から入った。奥のエスカレーターでいつものように六階へ上がった。六階の三分の一ほどが洋書売り場だ。洋書売り場の客になると、そのとたん、やや誇張して言うなら、僕は別世界の人だ。いまの日本の現実は、少なくとも棚や平台にならんでいる書籍のなかには、まったくないからだ。友人たちとの夕食の待ち合わせまでに、少しだけ時間があった。一冊でもいいからなにか買うことが出来れば、という気持ちで僕はその書店に寄ってみた。
 洋書売り場ぜんたいを見ていくなら、かなりおおざっぱな視線で…