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評論・エッセイ

本を三冊買う

 本を三冊買う、という楽しみかたの方針を、現在の僕は確定されたものとして持っている。三冊だと買うときにもっとも楽しい。おそらくそのせいだと思うが、買ってからずっとあとまで、その楽しさは持続する。だから、楽しみかたの方針という言いかたを僕はしている。
 本を三冊買うとは、たとえばある日の午後に街へ出て、古書店があればそこに入り、三冊の本を見つけ出してそれを買う、ということだ。古書店ではなく新刊の書店でもいいけれど、古書店のほうが楽しさにおいて比較にならない。新刊の書店に本は山のようにあるが、どの本もいま現在この瞬間という、…

底本:『ピーナツ・バターで始める朝』東京書籍 2009年

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