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小説

三人称単数

彼女が経験した出来事の残響について

「私」でも「あなた」でもなく、「彼」もしくは「彼女」。
言うまでもないが、これを「三人称単数」という。
この短い小説におけるそれは「彼女」だ。
ここには、彼女だけが体験した事柄や、そのくっきりとした
輪郭が鮮やかに描かれている。
台風に荒れるプールに身を置くとはどういうことか。
一転して、そのプールの静けさはどんな体験か。
恐怖を覚えるほどの濃密な霧とは、いかなるものか。
文章による肖像画がここにある。

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