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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

展望台の退屈

退屈を書くとは、いったいどういうことだろうか

なんという、人を食った短篇小説だろうか。
ここには1人の男性と1人の女性が出てきて、しかもわざわざ
展望台のような場所で会ったりするというのに
2人は互いにまったく惹かれあってはいない。
しかしそれでも2人には、待ち合わせの場所に行くだけの
通俗的で不可思議で「退屈」なモチベーションがあるのだ。
女性と男性は、こんなふうに約束したり、会ったりすることもある。
しかし作家の描くタッチは、シニカルなものではなく
こうしたこともある、という淡々と…

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