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小説

ブルー・ムーン

別れ話は3度。そして空には、ブルー・ムーン。

女と男がいる。
女が「終わりにしたい」という。男は「なぜ?」と聞く。
人類が、これまで無限に繰り返してきた行為だ。
いったい、平行線ではない別れ話というものが、あるだろうか?
終わりにすることと嫌いになることは違う、という言葉がそこにあり、
しかしその言葉は2人のあいだで共有されない。
されないまま、しかし2人は3度、話すために会う。
一度目と二度目は雨。しかし三度目は晴れた。
すべてを終えて、窓から見えるのは、きれいなブルー・ムーン。

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