VOYAGER

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小説

波が呼ぶんだよ

波が呼んだら、どこまでも行く。

幸雄と貴志。波乗りを何よりも愛する2人は
そのあいだに麻衣子、という気になる存在をはさみながらも
常に海を、波を第一に考えることにおいて共通している。
ある時2人は、小さな町の映画館で、ポルノ仕立ての安い映画を観た。
そこに彼らが観たものは、他の観客がまるで目にとめないもの、
画面を横に抜けていく完璧なチューブ波だ。
素朴すぎる情熱と手段で、
彼らはその波が生起する場所を、ついに見つける。
あとはもう、いつまでもそこに留まるだけだ。

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