エッセイ「やがて、模型(プラモデル)たちが語りはじめる」より1作品を公開
模型専門誌「月刊モデルアート」(モデルアート社)の臨時増刊号として発行されていた『M-CATS』(エム・キャッツ)連載のエッセイ「やがて、模型(プラモデル)たちが語りはじめる」の第4回を公開しました。単行本未掲載の作品です。
カルマン・ギアは200人近くの熟練した職工たちによる、ほとんど全工程が手作業の、いま振り返ると貴族的と言っていいほどの贅沢な作り方の車だ。この車を自分のものにした経験がないのを、僕は残念に思っている。エンジンやシャシー、4速シンクロのギア・ボックス、サスペンションなど、すべてフォルクスワーゲンビートルだ。ボディのデザインはテューリンのギア社がおこなった。その車体を実際に製作したのは、オナブルックにあったカルマンという優秀なコーチ・ビルダーだ。タミヤの24分の1スケール・1966年型カルマン・ギアクーペの組み立て説明書を読んだところ、僕がからし色として記憶している色はシー・サンド(海砂)と呼ばれた色だったことがわかった。今ごろになって手に入れることができた小さな発見を、僕は喜んでいる。
(『エム・キャッツ』第5号[2002年2月]掲載)
2025年10月24日 00:00 | 電子化計画
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