VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

お知らせ

4月10日発売『シティポップ短篇集』に片岡義男の短編作品が再録

4月10日発売の『シティポップ短篇集』(田畑書店)に、片岡義男が1980年代に執筆した2作品が再録されています。編者は作家で翻訳家の平中悠一さん。


 1970年代から80年代にかけ日本でヒットした音楽ジャンルの一つ、ニューミュージック。都会的で洗練されたメロディと歌詞が当時の若い世代の心を強く惹きつけました。この「昭和のポップソング」が近年、主に海外のアーティストによってSNSなどで拡散され「シティポップ」と再定義され国内でも人気が再燃しています。その同じ時代に、従来の日本文学とは異なる都会的なセンスや空気感を持つ短編小説がいくつも書かれました。
 本書には片岡を含む8人の作家による、80年代に書かれた9つの物語が収められており、巻末には編者で作家の平中悠一さんが『”時代”の終わりと”物語”の始まり——「シティポップと、同時代(1980年代)日本の「都会小説」』と題した「ライナーノーツ」が収録されています。この中で平中さんは今回のアンソロジーについて「音楽のシティポップと同時代的な、英米翻訳文学に影響を受けた80年代日本の都会的なミニマリズム文学、という一つのクライテリアで集成した」と書かれています。
 また、片岡の『鎖骨の感触』については「究極的なミニマリズムの都会短篇小説」とした上で、「男と女と(その彼女の)鎖骨。たったこれだけで小説ができる。80年代にはこんなとんでもない作品が、しかも極めてコマーシャルなかたちで普通に書かれていたのだということを、特に若い読者やこれから小説を書き始める人たちに伝えておきたい。(中略)”共感”を求める、などといった表層的な問題に目を奪われている人には、決してこんな作品は書けはしない」と評しています。

収録されている作家と作品は以下の通り(敬称略)。片岡義男作品は『楽園の土曜日』『鎖骨の感触』の2作品が掲載されています。

片岡義男『楽園の土曜日』
川西 蘭『秋の儀式』
銀色夏生『夏の午後』
川西 蘭『マイ・シュガー・ベイブ』
沢野ひとし『プリムズをくれた少女』
平中悠一『かぼちゃ、come on!』
原田宗典『バスに乗って それで』
山川健一『テーブルの上にパンはないけれど、愛がいっぱい』
片岡義男『鎖骨の感触』

『シティポップ短篇集』の詳細はこちらから。

※なお、本書の片岡義男プロフィールに「1934年生まれ」とありますが、正しくは「1939年生まれ」です。

2024年4月10日 18:30 | 片岡ニュース

このエントリーをはてなブックマークに追加