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小説

鎖骨の感触

短い時間だから、ぼんやりした全体ではなく、肩を記憶しよう

見ることができ、触ることのできるもの、
そのような「できる」関係にある男女を描くには、
短編小説という器がまことに好ましい。
努力の成果、としてではなく、生まれつき恵まれた恩恵としての「肩」を
男は愛し、女は愛されることを大切にする。
鎖骨と、そこからつながっている精妙な肩甲骨の動き。
そのうつくしさ、生きていることそのものがもたらす何かを
写真に撮って残しておくことはしない。
失われるまで愛し、あとは記憶と想像が幸福を形成する。

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