短編小説『想い出のダイアナ』（新評社『新評』／1979年2月号掲載）を本日公開しました。単行本・文庫本未収録の作品です。

キャバレーのチェーン店を運営する会社で、新しい店を任された26歳の森田次郎。歓楽街の一等地にあるその店の開店準備に大忙しのある日、次郎は店近くの道で、３年前同じナイトクラブで働いていた麻弓と久しぶりに出会う。深い仲ではなかったが、数回デートをした間柄だ。今は風俗店で働いているという麻弓を、次郎は自分の新しい店にこないか、と誘う。そして開店の日、麻弓を含めた６人の女性たちが揃う。年齢も経験もさまざまだが、重要な戦力であるベテラン３人の中のひとりに、源氏名をダイアナという女性がいた。店を軌道に乗せるために奮闘する次郎と、彼の店で働く女性たちの様々な事情が交錯する中、次郎と麻弓との関係にも少しづつ変化があらわれていく。次郎が店をまかされて１年余りが経ったある休日、遊園地のワンダーホイールの中で次郎と麻弓は自分たちの将来について、ひとつの決断を下す。片岡義男流の人情噺といった趣の短編小説。

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