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写真エッセイ『謎の午後を歩く』を公開

写真エッセイ『謎の午後を歩く』(フリースタイル/2002年)を本日公開いたしました。

季節を問わず僕はピーカンを好む。なぜならその明るく輝く陽の光は、子供の頃に親しんだ瀬戸内海の陽射しであるからだ。身のまわりにいくらでも存在していたはずのさまざまな物品を、自分が見る対象として対象化する作業を、太平洋戦争が終わったばかりの頃から、瀬戸内の片隅で、そこに豊富にあった明るい陽ざしの中で僕は始めた。その作業は、物品を見るその視線の持ち主である自分という存在の発見へと、ただちにつながったはずだ。太陽からの光は絶対と言っていい現実であり、被写体はその光を反射させている。撮るものは平凡な風景など誰の目にも触れるものばかりだ。それらが陽ざしのなかにあるだけで充分に不思議であり、これはいったいなになのか、と僕は思う。僕が感じる不思議さを、僕はどうすればいいのか。写真に撮るほかない。

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2023年3月21日 00:00 | 電子化計画

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