『寝顔やさしく』目次
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『寝顔やさしく』は、1985年2月に角川文庫から刊行されました。
収録作品のうち、『彼女が持つにふさわしい』は「月刊カドカワ」1985年1月号に、『寝顔やさしく』は「月刊小説王」(角川書店)1984年12月号、『一生に一度かしら』は「月刊小説王」1984年7月号、『彼を愛してなにを得たか』は「月刊カドカワ」1985年2月号に掲載されたものです。
また、『シャツのボタンが段ちがい』は、季刊「コバルト」1984年冬号に、『100%コットン』『サマータイム・ブルー』は集英社文庫コバルトシリーズからの作品です。
思えば、寝顔ほど無防備なものもまたとないのかもしれない。
東京駅にいて、眠たくてたまらない、となれば普通は一刻も早く勝手知ったるわが家へ急行するはずだが、それよりももっと別の場所で眠りたい、となればその場所の主との関係の親密さは明らかだ。
ぐっすりと眠ったあとには、贈りものが待っている。
他にはない、最上のおだやかさがそこには待っている。
(『寝顔やさしく』)
たいへんに魅力的な女性がいて、彼女と寝たい、それが実現するなら百万円払ってもいい、と男が口にする。話だけなら冗談か下衆な話題として済んでしまうが実際にそれが実現され、女性もあっさりとそれを飲んでしまうともはや外野がどうのこうの言う問題ではない。
「一生に一度かしら」などと笑いながら、百万円を支払い得ない男たちの視線の先をグラビアの彼女が涼しくすべっていく。
(『一生に一度かしら』)
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