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評論・エッセイ

日本人なら誰もが知っているあの曲は、海を越えてカバーされていた

なぜか聴くと長方形をイメージする曲
「荒城の月」という歌のオリジナル、つまり後年に山田耕筰が編曲したのではないほうは、Bマイナーの八小節で、僕はこのメロディからおなじかたちの長方形ふたつを想像する。子供の頃からそうだ。初めて聴いたときからではないか。
 最初の四小節を聴いて思い浮かべるのは縦横比が十三対九ほどの長方形をひとつ、縦に置いたものだ。次の四小節は、おなじ長方形を横置きにして、最初の長方形に重ねたものだ。重ねた位置は縦に置いた長方形の下半分で、やや左にずれたところだ。
 作曲者は瀧廉太…

底本:『現代ビジネス』講談社 2017年7月16日

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