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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

金色の瞳に映るものはなにか

 バンタム・ブックスというペイパーバックの叢書で刊行された、カーソン・マッカラーズの『金色の瞳に映るもの』という小説の版違いが、今回の写真のなかに四とおりある。いちばん左にあるのが、バンタム・ブックスでの最初のものとなった、一九五〇年の版の初版だ。いまから五十八年も前のものだが、インタネットの通販で簡単に手に入る。驚くほど廉価であり、ブック・コンディション・ヴェリー・グッドと表示してあるものを選ぶと、新本とほとんど変わらない状態のものが送られて来る。アメリカの懐は深い、と言わざるを得ない。

 左から二冊目…

底本:『Free&Easy』2008年9月号

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