VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

静止と列挙と固い枠

日本語の文章は、それがどれほど複雑なかたちのものであっても、核心に向けて削り込んでいくと、最終的には「──は──である」という構造にまで還元することが出来る、という説を僕はかつてなにかの本で読んだ。僕にとってはたいへん気になることだから、大切なものとしていまも記憶している。
「──は──である」という構造が、ふたつの「──」が対等に対置されている構造であることは、見ればすぐにわかる。ふたつのものが対等に対置されると、それらはそこで静止する、と僕は思う。「──は──である」という構造は、静止力そして静止感を強く持つ。なにご…

このエントリーをはてなブックマークに追加