『味噌汁は朝のブルース』目次
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『味噌汁は朝のブルース』は1980年8月に角川文庫から刊行されました。収録作品のうち『ミッドナイト・ママ』は雑誌「青春と読書」、『1963年、土曜日、午後』は雑誌「ミステリマガジン」、『花が濡れてます』『人魚はクールにグッドバイ』『味噌汁は朝のブルース』は雑誌「野性時代」にそれぞれ掲載されたものです。
「片岡義男の小説が、「わからない」あるいは「つまらない」と言う人がいる。数人の人からそうした言葉を聞いた。聞くたびに、ぼくは自分の体験を想い浮かべる。片岡義男の小説を、部屋のなかで、机の前で読むと、そうした印象を持つのだろう。だがおそらく「片岡義男」はそうして読まれるべきではない。屋外でこそ読まれるべき小説だ。これは比喩でも何でもない。風の匂い、花の香り、空の色——そうした己れの体をとりまく空気の動きを感じながら読むことがまず必要なのだ。
陽光ふりそそぐキッチンで紅茶を飲みながらページを開いたらやはり体が脈打ってきたから、屋外にかぎらなくてもいいのかもしれないが、それでも窓を開け放し、陽の匂い、風の香りを嗅ぎながら読むことが絶対条件だ。空気のよどんでいる閉めきった部屋は、片岡義男の小説に似合わない。片岡義男の小説がもし新しいとするなら——そんなことはどうでもいいことなのだが——これまでの読書のかたち、あるいは小説の概念とはそんなふうにまったく違う地平から生まれたことだろう」(北上二郎/文庫解説より)
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