『ラジオが泣いた夜』目次
このページは『ラジオが泣いた夜』の目次ページです。
『ラジオが泣いた夜』は1980年2月に角川文庫から刊行されました。収録作品のうち『夜行ならブルースが聴こえる』は雑誌「小説現代 Gen」、『明日が来るわけない』は「小説宝石」、『心をこめてカボチャ畑にすわる』は雑誌「バラエティ」、『俺を起こして、さよならと言った』は雑誌「野性時代」にそれぞれ掲載されたものです。
都筑道夫「あなたの小説は、若い人が登場する小説が多いでしょう。あれは、なぜなんだろう」
片岡義男「自分が同時代として持っている、いま、現在、この瞬間とフルにかかわっている状態がいちばん好きなので、そういうことを書こうとすると、登場人物か若くなり、物語ることがらも若い感じになることが多いのです。これまでに書いた小説のなかで、いちばん年齢の高い主人公は、三十七歳でした」
都筑「あまりにも現在でありすぎるという危惧は持たないの?」
片岡「持ちません。というよりも、そういうことまで手がまわらないですね。自分の感覚や肉体をフルに総動員して感じとれるものというと、現在という時間しかないのです。ふりかえるだけの過去もなく、あてにする将来もないという、非常にいい時間が、若い時期にはありますでしょう」
都筑「過去には、こだわらない」
片岡「まったくこだわりません。誰にでも過去という歴史があり、そのつながりのうえで現在を持っているのですが、過去はすでに存在しないのですから、存在しないものにマイナスのかたちでこだわって現在が限定されてくるという不自由は、避けたいのです」(対談 都築道夫×片岡義男 『ラジオが泣いた夜』文庫版より)
Previous Post
