『頬よせてホノルル』目次
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『頬よせてホノルル』は1987年12月に新潮社から刊行され、その後1990年8月に同社から文庫化されました。
「今年の春から秋にかけて書き下ろした『頰よせてホノルル』は、五つのストーリーに分かれた連作長編です。舞台はオアフ島、マウイ島、ハワイ島などのハワイの島。主人公はハワイへ移民した祖父、ハワイ育ちの父を持ち、自らもハワイで少年時代を過ごした思い出を持つ作家の「ぼく」です。ハワイを舞台にして書くと、主人公はいつもきまって一人称の「ぼく」になります。なぜなら、三人称の「彼」よりもはるかに、ハワイにいる「ぼく」は現実のぼく自身に近いからです。今度の小説の「ぼく」は、これまでの作品以上に、現実のぼくから至近距離にいる「ぼく」なのだと言っていいと思います。ハワイは、やはりぼくがすんなりとぼく自身になれる場所なのだと、ぼくは思っています。描かれているハワイは典型でも固定観念でもなく、ぼく個人のハワイです。どのストーリーも書きはじめるときにはほとんどなんの準備もなく、書いていくうちにひとりでにストーリーが出来てくる書きかたをしています。時間は変化をもたらすものですが、もたらされる変化は、ひとつの美しい肯定的なアイディアを核にしていてほしい、というぼくの基本的な態度が、そっくりそのままフィクションの核でもあります」(『僕が書いたあの島』あとがきより抜粋)
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