『ミッチェル』目次
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『ミッチェル』は1989年8月に東京書籍から刊行されました。『ミッチェル』は「野性時代」1988年9月号、『ハーフ・パパイア』は同1988年10月号、『断片のなかを歩く』は同1989年2月号、『紅茶のなかの真夜中』は同1989年3月号にそれぞれ掲載されました。 1992年の新潮文庫収録にあたり、『ちょうどその頃』『眠っているあいだの無防備』の2篇が追加されています。
「雨ばかり降っていた夏のある日、僕は、自分が持っているジョニ・ミッチェルのLPを聴きはじめた。持っているすべてのLPを聴き終わるまでに、三日かかった。彼女のLPを次々に聴きながら、興味をひかれる歌詞の断片を、僕は書きとめていった。三インチ×五インチの大きさのカードにひとつずつ書きとめていったら、最後にはかなりの数になった。そのカードを、僕の好みにしたがって配列し直し、英語のまま書きとめたその断片を日本語で書き直していった。番号をつけてならべ、やがて出来あがったのが、この短編集のなかにある「ミッチェル」という作品だ。ずっと以前から、僕はこれを行なってみたかった。やっと、実現した。
日本語になったものを読みかえしてみると、LPから聴こえてくるジョニ・ミッチェルの歌とは、ずいぶん違うものになっていることに僕は気づいた。日本語になると、世界はまるで違ってくる。それはそれでいいとして、読み返していてもうひとつ僕が気づいたのは、男性の影がたいへんに薄い、ということだ。男性との関係よりも先に、自分が心の内部に抱えている問題を相手に、ひとりでかなりの格闘をしなければならないという切迫感のほうが、はるかに色濃くぜんたいを支配している。以上のようなことを僕に気づかせてくれた「ミッチェル」をきっかけにして、ほかの八編の短編を、それから六か月のあいだに、僕は書いた」(「あとがき」より)
1989年東京書籍(単行本)版
あとがき(『あとがき』にリンクします。「1980年代」の『ミッチェル』をクリック)
※『紅茶のなかの真夜中』は「野性時代」掲載時に『紅茶の真夜中』だったものを改題。
1992年新潮文庫版
紅茶の真夜中 ※
あとがき(『あとがき』にリンクします。「1980年代」の『ミッチェル』をクリック)
※『紅茶の真夜中』は単行本発行時時に『紅茶のなかの真夜中』だったものを改題。
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