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書評

『絵本についての、僕の本』 まえがき

 絵本が僕にあたえた影響について、さきほどから僕は考えていた。影響ははかり知れない、という結論に僕は達した。僕というひとりの人の、僕らしさの基本を、ごく早い時期、たとえば五、六歳頃までには作ってしまうことに関して、重要な役割を果たしたという意味において、僕に対する絵本の影響は、はかり知れない。
 ごく幼い頃から、僕の周辺には英語の絵本がたくさんあった。それらを最初に見たとたんに、そして最初に手にとったその瞬間から、僕は絵本というものときわめて相性良く、なじんだのではないだろうか。いったん絵本との関係が出来ると、似たようなも…

底本:『絵本についての、僕の本』研究社出版 一九九三年

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