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評論・エッセイ

半分は表紙が目的だった──100冊のペーパーバックスにアメリカを読む

 ひとつの部屋がいっぱいにふさがってしまうほどにたくさん、僕はアメリカのペーパーバックスを持っている。ほとんどすべて、僕が自分で買ったものだ。古書として買ったものと新刊で買ったものが、いまはちょうど半々に均衡しているのではないか。
 ほとんどすべて、とたったいま書いた理由は、子供の頃に自宅に数多くあったペーパーバックスが、そのままいまの僕のコレクションに加わっているからだ。十代の終わり頃からペーパーバックスを買うようになった僕にとって、自分で買う行為への助走路の役を果たしたのは、子供の頃に自宅の本棚をふさいでいた、その当時…

底本:『半分は表紙が目的だった──100冊のペーパーバックスにアメリカを読む』晶文社 二〇〇〇年

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