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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『草を刈る娘』

夏の終わりの津軽平野、生い茂る夏草、それを刈りに来る村の人たち、そのなかにいるモヨ子と時造。こうしたことのすべてが、ファンタジー世界を構成している。すべては夢物語だ。ファンタジーとして描き出されるこのような世界は、確かに日本の野や山そして川の風景ではあるのだが、そうであると同時に、どこであるとも言い難いどこかであり、いつとも知れないいつかでもある。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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