VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『あいつと私』

「ほんとにやりたいことが見つかるまでは、学生の身分でいたい」と、三郎は言った。すでに書いたとおり、本当にやりたいこととは、本当の自分ということだ。自分探しや自分に向いた仕事などの、はしりがここにある、と僕は思う。技術革新による日本経済の発展が新しい段階に入った同時に、自分とか個人といった問題が、それまでとは様相を一変させたかたちと内容とで、始まった。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

このエントリーをはてなブックマークに追加