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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『この若さある限り』

社長令嬢や大学教授の娘といった、経済的に恵まれたお嬢さんの役が、吉永小百合にはなぜか似合わない。令嬢とは、少なくとも娯楽映画では、物語の中に固定された枠の中を生きる人だ。こういう役が彼女には決定的に似合わない。金持ちの令嬢よりも、貧乏暮らしの庶民の娘の方が、彼女は精彩がある。結論を簡単に言うと、弱い性格はまったく駄目であり、強い性格であればあるほど好ましい。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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