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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『ろくでなし稼業』

見終わったいまの僕にとってもっとも興味があるのは、1961年の日本の観客はこうした映画のどこを喜んだのか、ということだ。あっと言うまに稼いだ200万、300万という現金を札束で積み上げ、無造作に山分けしたり内ポケットにねじこんだりする場面に、彼らは「夢」を託したか。おどけたアクションや身のこなし、台詞の言葉づかいや口調などに、観客は痛快さを感じたのだろうか。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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