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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『警察日記 ブタ箱は満員』

生活に困窮して東京へ集団就職する零細小作農の長女のヨシエという役と、吉永小百合との相性のようなものについて僕は思う。彼女をひと目見れば、都会的な雰囲気の人だ、と誰もが思うはずだ。しかし、彼女にはお嬢様は似合わない。お嬢様とは勤労しなくてもいい人だと定義すると、それが似合わないとは、けっして楽ではない暮らしむきの、勤労者の役こそ彼女には似合う、ということだ。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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