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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『花と娘と白い道』

『花と娘と白い道』は、関係し合う主要な人物たち同士の、気持ちのありかたやその動きあるいは変化などの描きかたに、不均衡な空白がある時にしばしば生まれる奇妙な印象が、見終わると同時にぜんたいを覆う。不均衡な空白とは、例えば吉永小百合が演じているみや子の義姉のような、自分がなにをどうしたいのか、気持ちや意志がもっともはっきりしない、というようなことを指す。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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