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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『疾風小僧』

敗戦の年から5年きざみで、日本は質的な激変を体験してきた。その激変のなかから生まれた、それまではなかった新しい女性のイメージを、吉永小百合は部分的にせよ体現しているように僕は思う。従来どおりの女性らしさとしての容積や重さなどを離れたところに成立するはずの、正しい方向を自分でまっすぐにきめていくことのできる女性像が、彼女の姿かたちの上に重なりえたのではないか。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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